魅力ある高校づくりは「ふるさと」の歌詞を変えるか?

移住者が増えていると話題を集めてきた海士町。その隠岐島前高校が「魅力化」に取り組み、生徒数を増加させて廃校の危機から脱したことが知られています。

その効果を調査で分析したのが、三菱UFJリサーチ&コンサルティングによるレポートです。

・高校魅力化により地域の総人口は5%超増加(2017年)。 ・高校魅力化により地域の消費額は3億円程度増加(2017年)し、歳入も1.5億円程度の増加(同)。 ・高校魅力化に伴う町村の財政負担を加味しても、3,000~4,000万円程度のプラス効果。

情報源: 魅力ある高校づくり(高校魅力化)の社会・経済効果に関する分析結果を公表 | 三菱UFJリサーチ&コンサルティング

高校統廃合が地域の魅力を失わせる

レポートではまず全国の自治体を調査し、高校統廃合が地域に及ぼす影響について調べています。それによると、統廃合前の数年間は転出超過の傾向が他の期間より強くみられ、高校が無くなることを見越して転出していることが確かめられています。

そして、高校を存続させることが人口の1%を地域内にとどめる効果が期待できるとしています。

高校魅力化で総人口が5%増加

その上で、島根県の隠岐島前高校のケースを調査しています。その結果、地域の人口を5%増やし、地域での消費額が3億円増、町の歳入も1.5億円増えたというのです。

これに対して、当然町の支出も増えているわけですが、歳入との差し引きで年間3,000万円~4,000万円程度のプラス効果とのこと。高校の魅力化が確かに地域を活性化させています。

高校魅力化はどこを目指すか

ところで、隠岐島前高校の魅力化に関わっている人と話をしていたとき、同窓会などでよく歌われる「ふるさと」の歌詞を変えて歌っているという話があって、ほんとそれ、と意気投合しました。

つまり、

志を はたして いつの日にか 帰らん

とあるのを、

志を はたし いつの日にか 帰らん

としているという話です。

昔は都市部に出て一旗あげて故郷に錦を飾るというのが成功モデルでした。そのために高校は人材を育て、育てた人材を都会に送り出していた。

その結果が、田舎の凋落。だから、高校魅力化の第一のポイントは、地域で活躍する人材を育むというところにあります。

もっとも、今の日本ではまだまだ都市に出て成功するという観念が根強くあるのではないでしょうか。いつの日にか、その転換が来る日はくるでしょうか。

▼Question for New Rules
地域で活躍することが成功モデルとなるには何が必要だろう?

小橋昭彦
「ソシエテ・リベルテ」ビジョナリー。メールマガジン編集長、情報社会研究、ITベンチャー創業などを経て、ITを地域活性に活かしたいと丹波市に帰郷。NPOや地域ベンチャーを設立し、幅広い分野の地域づくり活動を支援。2006年度地域づくり総務大臣表彰受賞。

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