コンサルティング会社のガートナーから、2020年の注目技術トップ10が発表されています。

ふだんテクノロジーに慣れていない人には意味が読み取れないところもあると思いますが(例えば「人、プロセス、サービス、モノを含む複数の要素がスマート・スペースで組み合わさり、よりイマーシブかつインタラクティブな、自動化されたエクスペリエンスを創出します」なんてすぐに頭に入ってきませんよね)、ぜひお目通しください。

ディスティングイッシュト バイスプレジデントのデイヴィッド・カーリー (David Cearley) は次のように述べています。「2020年の戦略的テクノロジ・トレンドでは、People-Centric (人中心) のスマート・スペースという視点から、重要なインパクトを体系化して評価しています。人をテクノロジ戦略の中心に据えることで、テクノロジが顧客、従業員、ビジネス・パートナー、社会などにいかにインパクトを及ぼすかという、テクノロジの極めて重要な側面が浮き彫りになります」

情報源: ガートナー、2020年の戦略的テクノロジ・トレンドのトップ10を発表

自動化などが並ぶトップ10

トップ10にあげられているのは次のような技術です。

  • ハイパーオートメーション
    人がする仕事を自動化しつつ最適に調整する。
  • マルチエクスペリエンス
    ARやVRを組み合わせて人が分かりやすい経験を届ける。
  • ヒューマン・オーグメンテーション
    認知機能など人間の知覚を拡張する。

他、いろいろありますが、ガートナーはこれらを取りあげる視点として「スマート・スペース」という概念をあげています。

パーソナル・スペースという言葉があります。ある人が心地よく感じる個人空間のこと。いわばこうした個人が関わる空間があるとして、そこにテクノロジーやネットワークを組み合わせて作っていくのが「スマート・スペース」です。

個人空間のスマート化

ICTを利用して暮らしやすさを工夫した街を「スマート・シティ」、ネットワーク化された家を「スマート・ハウス」というように、個人空間がスマート化されていると考えると少し分かりやすいでしょうか。

そして、個人空間がどのようにスマート化されていくと、人にとって心地いいかを考えてみる。その上で、前述の「ハイパーオートメーション」や「マルチエクスペリエンス」等をみていくと、ガートナーが提示しようとしている世界観が見えてきませんか。

自分の周り1メートルから始める

テクノロジーに囲まれた未来社会を考えるとき、例に挙げたスマート・シティやスマート・ハウスのように、全体像から考えるアプローチもあります。

そんなとき、たとえば光ネットワークなら最後の家庭までの接続をどうするかという「ラスト・ワンマイル」問題が言われたりもしました。

でも、スマート・スペースから考える発想はその逆です。まず自分の身の回り1メートル、いや、1ミリから考えていく。その快適さを充実させ、その先に家や街を築いていく。

そんなアプローチで未来を描いていくことも必要だなぁと思ったことでした。

Standard Rules:ラスト・ワンマイル
Alternative Rules:ファースト・パーソナル・スペース

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