NHK大阪が制作した朝ドラ『スカーレット』は、視聴率20%前後と好調に推移しているようです。舞台は大阪だけど、視聴率を東西で見ると、東の方が高い。

ただこの傾向、NHK朝ドラの全般に見られるんです。「関西人はNHK嫌いだから」なんて解説もあるけれど、果たしてそうか。その背景を探った記事です。

この“東高西低”の問題だが、ここ数年といったようなスパンの話ではない。2000年代の初頭から指摘されているのだ。

情報源: 大阪NHK制作の「スカーレット」地元・関西の視聴率は関東よりなぜ低いのか | デイリー新潮

通勤スタイルが違う

視聴率の違いを、単に嗜好の違いに終わらせず、生活行動スタイルの分析まで踏み込んでいるところがこの原稿の特徴です。

朝ドラの放送時間は午前8時。関東ではこの時間は通勤や通学にすでに出ているのに対して、関西ではまさに家を出る準備の最中、という指摘です。つまり、ゆっくりとドラマを見ている場合じゃない。

そして、出かけるにあたって台風情報を確認する必要があった番組編成の場合は連ドラの視聴率も稼いでいるといった傍証を提示します。

なるほどなぁと思いました。丹波市に移住した若い女性がこんなことを言っていました。雲海が見える「黒井城跡」に登ってご来光を拝みつつ、「今頃東京では満員電車にみんな揺られているなぁ」と思うと、今過ごしている贅沢な時間がとても幸せに感じると。

サザエさんと株価

視聴率の東西差に生活スタイルの差を見出すように、数字の裏にどのような人間行動、人間心理があるかを分析する視点は重要です。

少し昔の話になりますが、「サザエさんの視聴率が高いと株価が下がる」という現象が話題を集めました。

数字から相関を調べると、確かにその通り。ではサザエさんの視聴率を下げれば株価も回復するかというと、そういう単純な話ではないですね。

サザエさんを見るということは日曜の夕方に在宅しているということです。そうなると外食や遊興にお金が使われませんから、世の中にお金が回らない。あるいは外食や遊興に費やすほど収入が無いという状況の結果かもしれない。いずれにせよ、日曜夕方の在宅は経済の低迷と関連しているというわけです。

数字の裏には人間行動がある

視聴率という数字の裏には、テレビを見る家庭それぞれの事情がある。そこを見失わないことです。

逆に言えば、視聴率を上げるには、あるいは何らかの商品の売上をあげるには、数字を構成する基になる人間心理、人間行動に働きかけなくてはいけない。そこを見通せるかが問われます。

▼Question for New Rules
数字を前にして、そこから人間心理や行動を削り出せるだろうか?

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