渋谷区役所のIT化について、副区長によるプレゼンテーションを取材した記事。考え方のツボを教えてくれます。

筆者が最も感心したのは「渋谷区では区庁舎には誰も来ない、来庁者ゼロを目指している。誰も来ないことがハッピー」だという考え方。区庁舎に区民が足を運ばなくても区のサービスを享受できる仕組みを目指すという意味だ。

情報源: IT化で激変「渋谷区役所」がスゴい。ビジネスチャットで「言った言わないをなくす」 | Business Insider Japan

ゴールを先に設定する

記事では明確には書かれていませんが、渋谷区の取り組みからは、できることからというよりも、ゴールを明確にしてドラスティックに取り組んでいるのではないかと想像されます。

たとえば、職員にタブレットを配布して、フリーデスク、フリーアドレスを実現しているということ。あるいは、公文書管理を電子化し、電子決裁100%を実装したということ。これらの取り組みは、順序良く積み上げただけではできないもののように思います。

しかし、お役所の仕組みをそこまで急に変えられるものなのでしょうか。

コンプライアンスという裏付け

ヒントになるのは、「人」という視点と「コンプライアンス」という視点ではないかと推察します。

人というのは、ひとつは「働き方改革」の目線から、業務スピードを効率化して仕事の質を上げていこうということ。そしてもうひとつは、市民にとって二度手間になるようなことは避けワンストップで、さらにはいっそ役所に来なくてもいいように、というサービス向上の目線。

一方でコンプライアンスというのは、紙の書類を無くすことで、また机上から物を無くすことで、情報漏洩や書類の偽造を防ぐことになるというコンプライアンスの視点。

行政がDXのリーダーに

行政というのは巨像のように動きが鈍く、「お役所仕事」を続けがちというのが一般イメージです。しかし渋谷区役所の動きからは、それは幻想にすぎず、やろうと思えばできると思わせてくれます。

いえ、実はこの考え方自体が固定観念にとらわれすぎているかもしれません。実は民間企業も、一部を除いてデジタルトランスフォーメーション(DX)に遅れているというのが日本の実情ではないでしょうか。

地方の中小企業においてはなおのことです。であれば、行政こそ率先してDXを達成し、民間企業をリードする。今求められているのは、「お役所仕事」のDXにより時代をリードすることである。むしろそう指摘すべきかもしれません。

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