自分の求める情報ばかりを探して補強するため、ネットは極端な意見に偏った分断された言論空間を作る。そんな風に言われることがありますが、データをもとにそれに反論するもの。

ここで、ネットは社会を分断しない、と言ったら読者は驚くだろうか。罵倒と中傷が飛び交うネットが社会を分断していないとはどういうことか、疑問に思う方もおられよう。しかし、事実を詳細に分析していくと上に述べた懸念はあたっていない。ネットは社会を分断しない。以下、我々の研究を下敷きに(注1)、このことを示す3つの事実を示そう。

情報源: ネットは社会を分断しない――ネット草創期の人々の期待は実現しつつある / 田中辰雄 / 計量経済学 | SYNODOS -シノドス-

エコーチェンバー現象は起こるのか

もともと、人間は自分を指示してくれる声ほどよく耳を傾けるものです。「選択的接触」と言うそうですが、その結果起こるのが「エコーチェンバー現象」。

たとえばSNS上で意見を述べる。するとそこへのコメントはそれに賛同する人のものばかりになる。書き込んだ本人はそれに力を得て、自分の意見をさらに強く持つようになる。

あ、あるかもと思いますよね。そしてそうしたスレッドを眺めている人はそこに同調するしかないような圧力を感じ、黙り込む。「沈黙のらせん」です。

ネットを使わないほど分断が進んでいる

こうした考え方にデータから疑問を挟んでいます。調査結果をもとに、極端な意見を持つ人の比率を調べると、高齢者ほど高くなっている。一般的にネット利用率が低くなる高齢者ほど、意見が分断していると。

さらに、フェイスブックやツイッターを利用し始める前と後で比べると、使い始めた人たちの方が、意見は極端に流れない。これは、目を通すブログ等が、紙媒体のときより、自分の意見と違う多様な意見を目にしているからだと。

極端な意見が目立つだけ

それでもネットが極端に思えるのは、極端な意見を持つ人ほどよく書き込んでいるからというのも、データで見せてくれています。

なんだかちょっと安心できる結果です。

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